活動内容
2016.03.21
「ぼくたちは戦場で育った」の編者、鶴を折る
第二次世界大戦のヨーロッパにおいて最悪の戦争と呼ばれたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の終結から20年。かつての戦時下の子どもたちも、今や30代前後の年齢になっている。そんな戦場育ちのサラエボの人々から160字以内で体験談を募り、一冊にまとめた本「ぼくたちは戦場で育った サラエボ1992─1995」(集英社)が発売された。
編著:ヤスミンコ・ハリロビッチ(Jasminko Halilovic)
1988年、サラエボ生まれ。作家、NPO法人URBANアソシエーション代表。4歳のときにサラエボ包囲戦が始まり、「戦場の子ども時代」を過ごす。和平合意成立後、サラエボ第一中学校在学中に始めた「サラエボ的思考」というブログが評判になり、書籍として出版。同書はボスニア・ヘルツェゴビナで初めての「ブログ本」となった。以後も執筆活動を継続し、写真付きエッセイ集『サラエボ―ぼくの町、出会いの場所』を出版している。
(本書より抜粋)
●あともう少しだけ背が高かったら、私はこれを書いていないだろう。わずかに開いたドアから、私の頭のすぐ上を弾が飛んで行った。
セルマ(女)1976年生まれ
●戦時の幼少時代とは、学校に片思いの子がいて、その子が迫撃弾で殺されることだ。
ヤセンコ(男)1977年生まれ
●何がほんとうに起こっているのか分からない──まるでミステリーのようにそれは始まった。そして、子ども時代、友だち、
親戚を失うという展開になった。
ズラタン(男
●戦争のあいだ、8歳で私は大人になった。
水を運び、市場へ行き、妹の世話をする。怖がっている時間はなかった。
ドラガナ(女)1985年生まれ
ドイツ人は1キロのガラスの玉を持ち歩き、このような写真をとっている。
この玉をイスに置くと日差しのせいで布がこげだしたので、みんなびっくり。
ガイド 三登浩成さん撮影 記事
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