大谷酒造のある琴浦町は大山をはじめとする中国山地をを背に日本海を臨む、大自然に恵まれた土地です。恵まれた土地で作られる米、大山の雪解け水、清澄な空気、冬の寒冷な気候が『鷹勇』を醸し出します。
原料米は酒造好適米の『山田錦』を基本に、『玉栄』や『五百万石』、戦前に因幡地方でだけ生産されていたという幻の酒造好適米『強力』を酒質によって使い分けています。
米は生き物で、同じ米でもその年の気候の変化によって性質が違い、年を越しただけでも味が違ってくるくらい繊細なものです。そのため、毎年厳選した米だけを使用しております。
四代目蔵元の大谷和正は仕込み水にこだわり、名水を求めて十年くらい模索した結果、最終的に地元の水が一番ということで落ち着きました。現在、仕込み水は蔵から車で10分の『倉坂』という所の大山の伏流水を汲み上げて使用しています。
現在相談役を務める坂本俊は平田市出身の出雲杜氏。十七歳の時、大谷酒造に醗師として入社し、二十八歳で杜氏となって以来辛口の酒にこだわり続け、『鷹勇』の味をひたすら守り通してきました。平成10年『現代の名工』に選ばれ、平成14年『黄綬褒章』を受章。平成19年に『現代の名工』である曽田宏に杜氏を禅譲し、平成22年に坂本相談役の内弟子である奥村豊が杜氏を引き継ぎ、現在は跡を引き継いだ杜氏や蔵人達によって鷹勇の味が脈々と引き継がれています。