推古15年(607)、聖徳太子と推古天皇により創建されたと伝わっています。
「日本書紀」には、天智9年(670)に伽藍を焼失したとの記述があり、8世紀初頭に現伽藍が完成したと考えられます。兵火や天災にはあわず、太子信仰に守られたこともあって、世界最古の木造建築群として往時の姿を今に伝えられています。参道は松並木になっており、参道を抜けたところに南大門(国宝)があります。境内は西院と東院に大きく分かれ、国宝・重要文化財の建築物だけでも55棟に及びます。全体は大垣(重要文化財)と呼ばれる築地塀に囲まれています。この寺は法隆寺式伽藍配置と呼ばれる配置になっており、寺の中心である西院には、五重塔(国宝)と金堂(国宝)が並び、中門(国宝)と大講堂(国宝)をつないで回廊(国宝)が囲んでいます。東に向かって東大門(国宝)を抜けたところに夢殿(国宝)のある東院が広がっています。また、建造物以外にも優れた仏教美術品を多数所蔵しており、その数は国宝だけで115点重要文化財では1961点にもなります。法隆寺地域の仏教建造物として、平成5年(1993)、世界文化遺産に登録されました。